自己注射が怖い方へ — 体験者の声と実践ガイド|骨活ガイド
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自己注射が怖い方へ — 体験者の声と実践ガイド

「注射が怖い」は当然の気持ちです。実際に自己注射を続けている方の声と、上手に打つコツをお伝えします。

「自己注射」という言葉を聞いて、胸がぎゅっとなった方もいらっしゃるかもしれません。「自分で注射するなんて、とてもできない」「想像しただけで手が震える」——そう思うのは、とても自然なことです。怖いと思う気持ちは、おかしいことでも、弱いことでもありません。

でも、どうか安心してください。多くの方が、最初はまったく同じ気持ちからスタートして、いまではご自身のペースで上手に注射を続けていらっしゃいます。「思ったより簡単だった」「慣れたら歯磨きと同じ」——そんなふうにおっしゃる方が、本当にたくさんいらっしゃるのです。

この記事は、不安を抱えているあなたのために書きました。ゆっくり、一緒に見ていきましょう。

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このページでわかること

  • 自己注射への不安は自然なことであり、多くの方が同じ思いを持っていることがわかります
  • 注射の針がどのくらい小さいか、実際の感覚がイメージできます
  • 2種類の注射デバイス(フォルテオ、テリボン)の違いと特徴がわかります
  • 注射の手順を、ひとつずつ安心して確認できます
  • 怖さを和らげるための、先輩患者さんたちの工夫が見つかります
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怖いと思うのは当たり前です

まず、いちばん大切なことをお伝えさせてください。

自己注射が怖いと感じるのは、ごく当たり前のことです。

注射は、医療機関で看護師さんにしてもらうもの——そう思って何十年も過ごしてきた方にとって、「自分で注射をする」という言葉はとても大きなハードルに感じられるものです。

実際に、自己注射を始める前に不安を感じる方はとても多いとされています。あなただけではありません。同じ気持ちを抱えながら、一歩を踏み出した先輩方がたくさんいらっしゃいます。

そして、その多くの方が、数回の経験を経て「こんなものだったんだ」と感じるようになっています。

焦る必要はまったくありません。ご自身のペースで、少しずつ慣れていけば大丈夫です。

「怖い」と思う気持ちを否定しないでください。その気持ちを持ったまま、少しずつ前に進めば大丈夫です。

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針はこんなに小さいです

自己注射と聞いて、病院で受ける採血や予防接種のような太い針をイメージされるかもしれません。でも実際には、まったく違います。

自己注射で使う針は、糖尿病のインスリン注射と同じタイプのとても細い針です。その太さはおよそ0.2mm(ミリメートル)——髪の毛と同じくらいの太さと考えられています。

刺す深さも、皮膚のすぐ下(数ミリ程度)だけです。筋肉まで届くような深い注射ではありません。

感覚としては、「チクッ」とする程度で、採血や予防接種よりもずっと軽い刺激と感じる方が多いようです。

針の実寸大比較(髪の毛・注射針・ボールペン先)

自己注射の針は髪の毛ほどの細さ。採血のような痛みとはまったく違う、ごく軽い刺激です。

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2つのデバイスを知りましょう

骨をつくる力を高めるお薬「テリパラチド」の自己注射には、2つのタイプのデバイスがあります。どちらも、使いやすさや安全性がしっかり考えられた設計です。

フォルテオ ペン型注射器(毎日型)

ペンのような形をしていて、手にしっかりなじむ持ちやすいデバイスです。

毎日少量ずつお薬を届けることで、骨形成のきめ細かな促進が期待できるデバイスです。

  • ダイヤルを回して準備する
  • 針をつける
  • 注射部位を選ぶ
  • ボタンを押して10秒間そのまま待つ

1本のペンで28日分(28回分)使えます。冷蔵庫で保存して、毎日決まった時間に注射します。

テリボン オートインジェクター(週1回型)

週に1回だけの注射で済むデバイスです。いちばんの特徴は、ワンプッシュで完了すること。ボタンを押すだけで、針の挿入・お薬の注入・針の引き抜きまで、すべて自動で行われます。

  • 週に1回だけ
  • ボタンを押すだけのシンプル操作
  • 針を見なくてもよい設計
  • 1回使い切りタイプ

針が見えない設計になっているので、「針を見るのがどうしても怖い」という方にも配慮されたデバイスです。

どちらのデバイスも、医療機関で看護師さんから丁寧に使い方を教えてもらえます。最初の数回は一緒に練習できますので、安心してください。

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注射の手順(ステップバイステップ)

実際の注射は、いくつかのシンプルなステップで完了します。ひとつずつ、ゆっくり確認していきましょう。

ステップ1:手を洗う

石けんを使って、しっかり手を洗います。清潔な手で始めることが大切です。

ステップ2:注射部位を選ぶ

おなか(おへその周り5cm以上離した部分)か、太ももの前面が一般的です。毎回少しずつ場所を変えるようにしましょう。

自己注射の部位(おなか・太もも)

ステップ3:消毒する

アルコール綿で、注射する部分をやさしく拭きます。

ステップ4:デバイスを準備する

  • フォルテオの場合: 針を取り付けて、ダイヤルを設定します
  • テリボンの場合: キャップを外します

ステップ5:注射する

  • フォルテオの場合: 皮膚を軽くつまんで、ボタンを押します。10秒間そのまま待ちます
  • テリボンの場合: デバイスを肌に当てて、ボタンを押すだけです

ステップ6:終了

針を安全に処理します。医療機関からもらった専用の廃棄容器に入れましょう。

すべてのステップは、最初に看護師さんが一緒にやってくれます。一人でできるようになるまで、何度でも練習できます。

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怖さを和らげるコツ

実際に自己注射を続けている先輩患者さんたちが教えてくれた、怖さを和らげるための工夫をご紹介します。ご自身に合いそうなものを、ひとつでも試してみてください。

  • 深呼吸をする: 注射の前にゆっくり3回、深呼吸をしましょう。体の力がふっと抜けて、リラックスできます
  • 注射部位を少し冷やす: 保冷剤をタオルに包んで軽く当てると、刺す感覚がさらに軽くなることがあります
  • 毎日同じ時間に: 朝食前、歯磨きの後など、決まったタイミングにすると習慣になりやすいとされています
  • テレビや音楽を楽しみながら: 何か別のことをしながら注射すると、意識が集中しすぎなくて済みます
  • ご家族に見守ってもらう: 一人が不安なら、最初はご家族のそばで。見ていてくれる人がいるだけで、心強いものです
  • 「骨を育てている」と考える: 「やらなきゃ」ではなく「いま、骨に栄養を届けている」と思うと、注射の意味がポジティブに変わります
  • できたら自分をほめる: 毎回「今日もできた」と、ご自身を認めてあげてください。それは本当にすごいことです

怖さは「慣れ」で少しずつやわらぎます。最初の5回を乗り越えると、ぐっと楽になる方が多いようです。

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よくあるつまずきと対処法

自己注射を続ける中で、うまくいかないことがあっても大丈夫です。よくあるつまずきと、その対処法をまとめました。

「今日はどうしても怖い」

無理をする必要はありません。フォルテオの場合、1日スキップしても大きな問題にはならないことが多いとされています。ただし、頻繁にスキップが続く場合は、主治医にご相談ください。一緒に解決策を考えてもらえます。

「注射を忘れてしまった」

気づいた時点で注射していただいて構わない場合が一般的ですが、次の注射までの間隔については主治医にご確認ください。忘れにくくするために、スマートフォンのアラームを活用するのもおすすめです。

「注射した場所が赤くなった」

軽い赤みやかゆみは、一時的なもので心配のないことがほとんどです。数日続く場合や、広がる場合は、主治医にご相談ください。

「針が怖くて見られない」

見なくても大丈夫です。テリボンオートインジェクターは針が見えない設計になっています。フォルテオでも、顔を横に向けたまま注射されている方はたくさんいらっしゃいます。慣れるまでは、ご家族に手順の確認だけお願いするのもひとつの方法です。

「旅行中はどうすれば」

フォルテオは保冷バッグに入れて持ち運ぶことができます。テリボンは週1回なので、出発前や帰宅後に合わせて調整できる場合もあります。旅行の予定がわかったら、事前に主治医にご相談ください。

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先輩患者さんの声

自己注射を始めた方々の一般的な体験例をご紹介します。最初の不安を乗り越えた先輩方の声は、きっと励みになるはずです。


68歳の方の体験例

「最初は針を見るだけで手が震えました。『本当に自分にできるのかしら』と、何度も思いました。でも、看護師さんが3回一緒にやってくれて、『大丈夫ですよ、上手ですよ』と声をかけてくださって。4回目に初めて一人でやってみたら、あっという間に終わったんです。いまでは朝の歯磨きと同じくらい当たり前になっています」


75歳の方の体験例

「私はどうしても針を見るのが苦手で、週1回のオートインジェクターにしてもらいました。ボタンを押すだけなので、私のような不器用な者でもできています。針が見えないのがいちばんありがたいです。週に1回だから、気持ちの負担も少なくて助かっています」


72歳の方の体験例

「最初は娘に横にいてもらって注射していました。3週間くらいで一人でもできるようになって。ある日、娘に『お母さん、自分で注射してるの?すごいね』と言われて、ちょっと誇らしかったです。骨のために頑張っている自分を、少し好きになれた気がします」


70歳の方の体験例(フォルテオ)

「毎日の注射と聞いて最初は驚きましたが、やってみると1回10秒で終わるんです。むしろ毎日のルーティンになったことで、『今日も骨のためにがんばっている』という安心感があります。ペンも使いやすくて、半年後の骨密度検査で数値が上がっていたときは本当にうれしかったです」


※ 上記は一般的な体験例です。実際の治療経験は個人により異なります。

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注射の管理と保存

お薬を安全に使い続けるために、保管と管理のポイントをまとめました。

フォルテオ ペン型注射器

  • 冷蔵庫(2〜8℃)で保存してください。凍らせないようにご注意ください
  • 使用中のペンは最大28日間使用できます
  • 冷蔵庫のドアポケットなど、取り出しやすい場所がおすすめです

テリボン オートインジェクター

  • 冷蔵庫で保存してください
  • 使用する直前に冷蔵庫から取り出します
  • 1回使い切りタイプです

使用済み針の処理

  • 医療機関から提供される専用の廃棄容器に入れてください
  • 家庭ゴミには出さないでください
  • 容器がいっぱいになったら、医療機関に持参して交換してもらいましょう
  • お子さんやお孫さんの手の届かない場所に保管することも大切です
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困ったときの相談先

自己注射について困ったことがあったら、一人で悩まないでください。

  • まず主治医・担当看護師に相談しましょう。注射の手技に関する悩みにも、丁寧に対応してもらえます
  • 製薬会社の患者サポートラインもあります。各社のウェブサイトに連絡先が掲載されています
  • 当サイトの注射コーストラッカーで、注射の記録管理をすることもできます

どんな小さな不安でも、相談してよいのです。「こんなこと聞いていいのかな」と思わず、気軽に声をかけてください。

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今日からできること

  • この記事を読んだ自分をほめてあげてください。 「自己注射について調べてみよう」と思えたこと自体が、すでに大きな一歩です
  • 次の診察で、注射への不安を正直に伝えましょう。 主治医や看護師さんは、その不安に寄り添ってくれます
  • デバイスの種類について、主治医に聞いてみましょう。 フォルテオとテリボン、どちらがご自身に合いそうか、一緒に考えてもらえます
  • ご家族にこの記事を見せてみましょう。 周りの方に理解してもらうと、注射を続ける気持ちの支えになります
  • 骨を強くする食事も読んでみましょう。 注射と食事の両方で、骨を元気にしていきましょう
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よくある質問

Q. 本当に自分でできるようになりますか?

多くの方が、数回の練習で上手にできるようになっています。最初は看護師さんが丁寧に指導してくれますし、何度でも一緒に練習できます。それでも難しいと感じる場合は、医療機関で注射してもらう方法もありますので、主治医にご相談ください。「できなければいけない」ということはありません。

Q. どうしても自己注射ができない場合は?

テリボンには、週1回医療機関で注射してもらうタイプ(テリボン皮下注)もあります。自己注射が難しい場合は、通院で注射を受けるという選択肢がありますので、主治医にご相談ください。治療を続けることがいちばん大切です。

Q. 血が出たらどうすればいいですか?

少量の出血は正常で、心配いりません。清潔な綿やガーゼで軽く押さえれば、すぐに止まることがほとんどです。出血が続く場合は、主治医にご連絡ください。

Q. お風呂の前と後、どちらがいいですか?

特に厳密な決まりはありませんが、清潔な状態で行うことが大切です。入浴直後は血行がよくなり出血しやすいこともあるため、入浴前に注射する方がやや一般的とされています。ご自身の生活リズムに合わせて、主治医と相談してみてください。

Q. 家族に代わりに打ってもらってもいいですか?

自己注射の指導を受けた方が対象となるのが一般的です。ご家族が代わりに注射することが可能かどうかは、主治医にご相談ください。ご家族への指導が受けられる場合もあります。

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参考文献

  • 日本骨粗鬆症学会 編『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版』ライフサイエンス出版
  • フォルテオ皮下注キット 添付文書・患者向け使用説明書(日本イーライリリー)
  • テリボン皮下注オートインジェクター 添付文書・患者向け使用説明書(旭化成ファーマ)
  • 骨粗鬆症財団「骨粗鬆症の治療について」https://www.jpof.or.jp
  • Kendler DL, et al. "Effects of teriparatide and risedronate on new fractures in post-menopausal women with severe osteoporosis (VERO): a multicentre, double-blind, double-dummy, randomised controlled trial." Lancet. 2018;391(10117):230-240.

本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。骨の健康について気になることがあれば、主治医にご相談ください。

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医療監修

加藤裕幸整形外科医・医籍登録 409723号

東海大学医学部付属病院/湘陽かしわ台病院

最終更新:2026年3月18日

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