「骨密度検査、私も受けたほうがいいのかしら」——そう思いながら、なんとなく先延ばしにしている方は少なくありません。検査を受けるべきかどうかを考えるとき、実は年齢と体重の2つだけでおおよその目安がわかる方法があります。それがOSTA(オスタ)です。
電卓ひとつ、あるいは暗算でもできます。このページでは、OSTAの計算のしかたと結果の見方、そしてFRAX(フラックス)との違いをご説明します。
年齢と体重の2つだけで「骨密度検査を受けたほうがよいか」の目安がわかるOSTA。計算ツール付きで、FRAXとの違いもやさしく解説します。
「骨密度検査、私も受けたほうがいいのかしら」——そう思いながら、なんとなく先延ばしにしている方は少なくありません。検査を受けるべきかどうかを考えるとき、実は年齢と体重の2つだけでおおよその目安がわかる方法があります。それがOSTA(オスタ)です。
電卓ひとつ、あるいは暗算でもできます。このページでは、OSTAの計算のしかたと結果の見方、そしてFRAX(フラックス)との違いをご説明します。
OSTA(Osteoporosis Self-Assessment Tool for Asians)は、アジア人のための骨粗鬆症セルフチェック指標です。2001年に、シンガポール・台湾・韓国・香港・マレーシア・フィリピン・タイ・中国の8か国の閉経後女性のデータから作られ、日本人女性でもその有効性が確かめられています。
もともとは「骨密度検査の設備が十分にない地域で、誰に優先して検査を受けてもらうか」を決めるために生まれたツールです。骨粗鬆症に関わる多くの要因を調べた結果、最終的に年齢と体重の2つだけで、骨粗鬆症の可能性が高い人をかなりよく見分けられることがわかりました。
OSTAは「あなたは骨粗鬆症です」と判定するものではありません。「骨密度検査を受けたほうがよさそうか」の目安を教えてくれるツールです。
日本では、国の研究班が作成を進めている新しい骨粗鬆症検診のマニュアル案でも、OSTAはFRAXとともに検診の柱として位置づけられています。市区町村の骨粗鬆症検診で、今後この考え方が使われていく可能性があります。
計算式はこれだけです。
OSTA =(体重 kg - 年齢 歳)× 0.2(小数点以下は切り捨て)
さらに簡単にするなら、「年齢 - 体重」が 5 以上かどうかを見るだけでも、ほぼ同じ意味になります。
| OSTAの値 | 目安 |
|---|---|
| -1 より大きい(0以上) | 低リスク:骨粗鬆症の可能性は比較的低い範囲 |
| -1 〜 -4 | 中リスク:骨密度検査を考えてみましょう |
| -4 より小さい(-5以下) | 高リスク:骨密度検査を受けることがすすめられる範囲 |
下の計算ツールに年齢と体重を入れると、すぐに結果が表示されます。
年齢と体重を入力すると、OSTAの値と目安が表示されます。
体重は「今の体重」で計算します。若いころの体重ではありません。健康診断の結果用紙に載っている体重で大丈夫です。
骨粗鬆症の可能性は比較的低い範囲です。ただし、OSTAは年齢と体重しか見ていません。次のような方は、OSTAの結果にかかわらず主治医にご相談ください。
「骨密度検査を考えてみましょう」という範囲です。すぐに何かが起きるという意味ではありません。次の診察のときに「OSTAで中リスクでした。骨密度検査は受けたほうがよいでしょうか」と聞いてみてください。
骨密度検査を受けることがすすめられる範囲です。数字を見て不安になるかもしれませんが、これは「今のうちに骨の状態を知りましょう」という合図です。骨粗鬆症は、見つかれば対策のとれる病気です。
年齢が高くなるほど、OSTAは「検査を」という結果になりやすくなります。 70代・80代の方の多くは中リスクか高リスクに入ります。それは計算のクセではなく、その年代では骨密度検査を受けることそのものがすすめられるからです。まだ受けたことがなければ、これをきっかけにしていただければと思います。
大人になってから、軽い衝撃で骨折したことがある方は、OSTAの値がいくつであっても骨密度検査がすすめられます。「骨折したことがある」は、年齢や体重よりも重い情報だからです。
骨粗鬆症になりやすい要因はたくさんあります。家族歴、閉経の時期、喫煙、飲酒、運動習慣、カルシウムの摂取量……。OSTAを作った研究でも、はじめは11の要因が骨粗鬆症と関係していました。
ところが、関係の弱い要因を順に外していくと、年齢と体重の2つだけでも、見分ける力はほとんど変わらなかったのです。
「年齢が高く、体重が軽い」ほど、骨粗鬆症の可能性が高くなる——この関係がとても強いため、2つの数字だけで十分な目安になるのです。
ただし「体重が重ければ安心」という意味ではありません。骨のためには適正な体重を保つことが大切で、太ることが骨を守るわけではありません。
当サイトではFRAXもご紹介しています。OSTAとFRAXは似ているようで、答えている質問が違います。
| OSTA | FRAX | |
|---|---|---|
| 答えてくれること | 骨密度が低い(骨粗鬆症になっている)可能性 | 今後10年間に骨折する確率 |
| 入力するもの | 年齢・体重の2つ | 年齢・性別・BMI+7つの質問(+骨密度) |
| 結果の形 | 3段階(低・中・高) | 確率(%) |
| 主な使いどころ | 骨密度検査を受けるかどうかの目安 | 治療を始めるかどうかの相談材料 |
| 計算の手間 | 暗算でできる | 専用サイトで入力 |
たとえるなら、OSTAは「まず検査を受けるべきかどうか」を教えてくれる入口の目安、FRAXは「検査結果も含めて、これからどうするか」を主治医と考えるための材料です。
国の研究班が作成中の骨粗鬆症検診マニュアル案では、この2つを次のように組み合わせる考え方が示されています。
これはまだ「案」の段階で、お住まいの自治体の検診がすぐにこの形になるわけではありません。ただ、「年齢と体重」と「7つの質問」という身近な情報だけで、誰が検査を受けるべきかを見分ける考え方は、ご自身で検査を考えるときにも役立ちます。
OSTAは閉経後の女性のデータから作られました。閉経前の女性や男性でも使われることはありますが、目安の精度は女性ほど確かめられていません。男性の方は、結果を「検査を相談するきっかけ」として受け止めてください。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| OSTAとは | アジア人向けの骨粗鬆症セルフチェック指標。年齢と体重だけで計算できます |
| 計算式 | (体重 - 年齢)× 0.2、小数点以下切り捨て。「年齢 - 体重 が 5 以上」でもほぼ同じ意味 |
| 結果の目安 | -1より大きい=低リスク/-1〜-4=中リスク/-4より小さい=高リスク |
| FRAXとの違い | OSTA=骨密度が低い可能性(検査を受ける目安)、FRAX=骨折の確率(治療を相談する材料) |
| 大切なこと | 骨折歴がある方はスコアに関係なく検査を。年齢が高いほど「検査を」という結果になりやすく、それ自体が正しい合図です |
Q. 男性でも使えますか?
OSTAは閉経後の女性のデータで作られましたが、アジアの男性を対象にした研究でも、年齢と体重による目安として使えることが報告されています。ただし女性ほどデータが多くないため、男性の方は結果を「検査を相談するきっかけ」として受け止めてください。男性の骨粗鬆症についてはこちらの記事もご覧ください。
Q. 40歳未満でも計算できますか?
計算はできますが、OSTAは閉経後の女性を想定して作られたものです。若い方で骨の健康が心配な場合(早期閉経、長期のステロイド使用、極端なやせなど)は、OSTAの結果ではなく主治医にご相談ください。
Q. 体重を増やせば骨粗鬆症になりにくくなりますか?
やせていることは骨粗鬆症のリスク要因のひとつですが、太ることが骨を守るわけではありません。大切なのは適正な体重を保ち、筋肉を落とさないことです。食事と運動については骨を強くする食事と運動と転倒予防をご覧ください。
Q. すでに骨密度検査を受けたことがあります。OSTAは必要ですか?
必要ありません。OSTAは「検査を受けるべきかどうか」の目安であり、実際の検査結果があればそちらがすべてです。検査結果の見方は骨密度検査(DEXA)のすべてでご説明しています。
Q. 低リスクなら、骨密度検査は受けなくてよいですか?
低リスクは「今すぐ検査でなくてもよさそう」という目安であって、「受ける必要がない」という意味ではありません。骨折歴やステロイド使用などがある方はもちろん、閉経後の女性は一度は骨密度を測っておくことがすすめられています。気になる方は、迷わず主治医にご相談ください。
Q. OSTAとリスクチェックは何が違いますか?
当サイトのリスクチェックは、骨粗鬆症に関わる要因を幅広く振り返るための項目リストです。OSTAはそのうち年齢と体重の2つだけを使って、「骨密度検査を受ける目安」を数字で出すものです。リスクチェックで気になる項目が多かった方は、OSTAの結果にかかわらず主治医にご相談ください。
本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。OSTAの結果は骨密度検査を受けるかどうかを考えるための目安であり、診断ではありません。骨の状態は骨密度検査で、治療方針は主治医が総合的に判断します。気になることがあれば、主治医にご相談ください。
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医療監修
加藤裕幸(整形外科医・日本整形外科学会専門医)
最終更新:2026年9月17日