男性の骨粗鬆症 — 「女性の病気」ではありません|骨活ガイド
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男性の骨粗鬆症 — 「女性の病気」ではありません

骨粗鬆症性骨折の20〜30%は男性に発生。男性特有のリスク因子、検査を受けるべき人、前立腺がん治療中の注意点を解説します。

「骨粗鬆症は女性の病気でしょう?」——そう思っている男性は多いかもしれません。たしかに閉経後の女性に多い病気ですが、骨粗鬆症による骨折の20〜30%は男性に起きています。

男性は女性より骨折の発症が遅い傾向がありますが、いったん骨折すると回復が遅く、合併症も起きやすいことがわかっています。とくに大腿骨骨��後の死亡率は、男性のほうが女性より高いと報告されています。

この記事では、男性の骨粗鬆���の特徴と、気をつけるべきポ��ントをまとめました。

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このページでわかること

  • 男性にも骨粗鬆症があることがわかります
  • 男性特有のリスク因子がわかります
  • どんな男性が検査を受けるべきかがわかります
  • 女性との違い(診断基���、薬���選択)がわかります
  • 今日からできる予防法がわかります

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男性の骨粗鬆症——どのくら��多い?

日本のデータ

  • 男性の骨粗鬆症患者数:推定300万人(女性は約1,000万人)
  • 大腿骨近位部骨折の約25%は男���
  • 脊椎圧迫骨折の約30%は男性
  • 50歳以上の男性の約4〜6人に1人が生涯で骨粗鬆症性骨折を経験

なぜ見逃されやすいのか

  • 「骨粗鬆症=女性の病気」という思い込み
  • 男性は���密度検査を受ける機会が少ない
  • 骨折しても���粗鬆症の検査につながりにくい
  • 症状がないため本人が気づかない

骨粗鬆症は「見つけてもらえない病���」になりがちです。とくに男性では、骨折して初めて骨粗鬆症とわかるケースが多いのが現状です。


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男性の骨が弱くな��原因

女性では閉経によるエストロゲン低下が主因ですが、男性ではさまざまな原��が重なることが多いです。

加齢

  • 男性も50歳以降、骨密度は年間0.5〜1%ずつ低下します
  • 70歳を超えると骨折リスクが急速に上がります
  • テストステロン(男性ホルモン)��緩やかな低下も影響します

二次性の原因(他の病気や薬が原因)

男性の骨粗鬆症は約半数に明らかな原因があるとされています。

原因 具体例
ステロイド薬 関節リウマチ、喘息、炎症性腸疾患の治療
男性ホルモン低下 前立腺がんのホルモン療法、加齢性
アルコール 日本酒3合以上/日相当の常習飲酒
喫煙 現在喫煙中
糖尿病 2型糖尿病(骨質低下を通じて)
消化器疾患 胃��除後、炎症性腸疾患、セリアック病
腎機能低下 慢性腎臓病(CKD)
抗てんかん薬 長期使用によるビタミンD代謝異常

詳しくはステロイドと骨の記事もご覧ください

生活習慣

  • 運動不足:デスクワーク中心、退職後の活動低下
  • カルシウム・ビタミンD不足:食事の偏り
  • やせ型:BMI 20未満は要注意
  • 過度の飲酒

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どんな男性が検査を受けるべき?

以下に当てはまる方は、骨密度検査について医師に���談することをお勧めします。

検査が推奨される方

  • 70歳以上のすべての男性
  • 50歳以上で以下のリスク因子がある方:
    • 50歳以降に骨折したことがある
    • 身長が3cm以上縮んだ
    • ステロイド薬を使用���(3ヶ月以上)
    • 前立腺がんのホルモン療法を受けている
    • 大量飲酒・喫煙
    • 父母のいずれかが大腿骨骨折をしている
  • 年齢を問わず、以下に該当する方:
    • 軽い力で骨折した(脆弱性骨折)
    • X線検査で偶然、骨折が見つかった

検査の方法

女性と同じDEXA検査(腰椎と大腿骨)が標準です。

詳しくは骨密度検査(DEXA)のすべてをご覧ください


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男性と女��で異なる点

診断基準

男性���骨粗鬆症の診断基準は女性と基本的に同じです。

  • Tスコア −2.5以下:骨粗鬆症
  • Tスコア −1.0〜−2.5:骨量減少(骨減少症)

ただし、男性のTスコアは若年男性の平均値と比較します(女性の値ではありません)。

治療薬

男性の骨粗鬆症にも、保険適用のある治療薬がいくつかあります。

  • 男性に使用できる治療薬は複数あり、その多くは女性と共通です
  • 一部に、女性ホルモンに関係する作用のため女性のみが対象となる薬もあります

どの薬が適しているかは、骨密度や原因、合併症などをふまえて主治医が選びます。

女性ホルモンに似た働きをする一部の薬は男性には使えませんが、それ以外の主な治療薬は男性にも使用できます。詳しい治療法については主治医にご相談ください。

二次性の原因を調べる

男性では原因検索が重要です。血液検査で以下を確認することがあります:

  • テストステロン(男性ホルモン)
  • カルシウム、リン
  • ビタミンD
  • 甲状腺機能
  • 腎機能
  • 骨代謝マーカー

原因が見つかれば、その治療を��うことで骨密度が改善することもあります。


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前立腺がん治療中の方へ

前立腺がんのホルモン療法(アンドロゲン除去療法=ADT)は、テストステロンを大幅に低下させるため、急速な骨量低下を起こします。

  • ADT開始後1年で骨密度が4〜5%低下することがある
  • 骨折リスクは治療開始後早期から上昇する
  • 予防治療が推奨されている

前立腺がんの主治医(泌尿器科)と骨粗鬆症について相談してください。多くの場合、骨を守るための予防治療が行われます。


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男性の骨を守���——今日からできること

食事

  • カルシウム:700〜800mg/日を目標(牛乳、小魚���豆腐、青菜)
  • ビタミンD:魚(鮭、しらす)、干しきのこ、適度な日光浴
  • タンパク質:十分に摂る(肉、魚、��、大豆製品)
  • 飲酒は適量に:日本酒なら1日1合程度まで

運動

  • ウォーキング:1日30分以上(骨に荷重���激を与える)
  • 筋力トレーニング:週2〜3回(スクワット、腕立て伏せなど)
  • バランス運動:片足立���など(転���予防)

退職��に活動量が大幅に減る男性は多いです。意識して体を動かす習慣をつけましょう。

生活習慣

  • 禁煙(喫煙は骨密度を下げ、骨折リスクを上��ます)
  • 飲酒は節度を守る
  • 転倒に注意(夜間のトイレ、階段、浴室)

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よくある質問

Q. 健康診断で骨密度検査はできますか?

自治���によっては男��も対象に���ている骨密度検診がありますが、多く��検診は女性のみが対象です。気になる方は、整形外科で「骨密度を測りたい」と相談すれば保険適用で検査できます(リスク因子がある場合)。

Q. 男性は何歳から注意すべきですか?

リスク因子がなければ70歳以上で検査を受けることが推奨されます。ただし、ステロイド使用中、大量飲酒、前立腺がんのホルモン療法中などのリスク因子がある方は50歳から注意が必要です。

Q. 男性の骨折は女性より危険だと聞きましたが?

大腿骨骨折後の1年以内の死亡率は、男性で約20〜25%、女性で約10〜15%と報告されています。男性は骨折時の年齢が高いこ���、併存疾患が多いこと、リハビリへの参加率が低いことなどが影響していると考えられています。

Q. 妻が骨粗鬆症です。自分も検査を受けるべきですか?

骨粗鬆症自体は遺伝する病気ではありませんが、生活習慣(食事、運動量)は夫婦で似る傾向があります。また、ご両親のいずれかが大腿骨骨折をしている場合は遺伝的なリスクがあります。70歳以上であれば、お二人で一緒に検査を受けるのはよい考えです。


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今日からできること

  1. 70歳以上、またはリスク因子がある方は骨密度検査を相談する
  2. 飲酒量を確認する(日本酒1合/日を超えていませんか?)
  3. 退職後も意識して体を動かす(ウォーキング、筋トレ)
  4. カルシウムとビタミンDを意識した食事をする
  5. 前立腺がんの治療中なら骨のことも主治医に相談する

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参考文献

  • 日本骨粗鬆症学会ほか. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドラ��ン2025年版
  • Ebeling PR, et al. Secondary Osteoporosis. Endocr Rev. 2022
  • 骨粗鬆症財団. 男性の骨粗鬆症について

本記事の内容は一般的な医学情報の提供を目的としており、特定の診断・治療���推奨するものではありません。骨の健康について気になることがあれば、主���医にご相談ください。

利益相反の開示

本記事の内容は特定の製品や企業から独立しています。薬剤名は一般名または広く知���れた商品��を情報提供の目的で記載し���おり、特定の製品を推奨するものではありません。当サイト���スポンサーシップについては編集方針をご覧ください。

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医療監修

加藤裕幸整形外科医・医籍登録 409723号

東海大学医学部付属病院/湘陽かしわ台病院

最終更新:2026年5月17日

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