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骨粗鬆症とは — 「静かな病気」を知る

痛みも自覚症状もないまま進行する骨粗鬆症。なぜ「静かな病気」と呼ばれるのか、どうすれば気づけるのかを解説します。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)は、「サイレント・ディジーズ(静かな病気)」と呼ばれています。痛みも目に見える変化もないまま、気づかないうちに骨がもろくなっていくのが、骨粗鬆症の大きな特徴です。

この動画はAI音声・映像技術を使用して制作しています。内容は整形外科専門医が監修しています。

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このページでわかること

  • 骨粗鬆症がなぜ「静かな病気」と呼ばれるのか
  • 骨の中で何が起きて、骨がもろくなるのか
  • どんな骨⁠折が起きやすいのか、その影響
  • 自分で気づける小さなサインの見つけ方
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なぜ「静かな病気」と呼ばれるのか

ある日、玄関先のちょっとした段差につまずいて手をついたら、手首を骨⁠折してしまった。病院で「骨粗鬆症ですね」と言われて、初めてその言葉を聞いた、という方は少なくありません。

骨粗鬆症には、痛みや自覚症状がほとんどありません。高血圧が「沈黙の殺人者」と呼ばれるのと同じように、骨粗鬆症は骨⁠折して初めて見つかることが多い病気です。

骨粗鬆症は「骨が折れるまでわからない」ことが多い病気です。折れる前に見つけるには、知っておくしかありません。

「まさか自分が」と思う方がほとんどです。でも、知っていれば、早めに検査を受けたり予防を始めたりできます。

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骨の中で何が起きているのか

骨は生きているの記事でお伝えしたように、骨は毎⁠日⁠少しずつ壊されて(骨吸収)、新しく作り直されています(骨形成)。この「骨のリモデリング(作り替え)」のおかげで、骨は常に新鮮な状態を保っています。

ところが、加齢やホルモンの変化などで壊すスピードが作るスピードを上回ると、骨の中にすき間が増えていきます。

健康な骨と骨粗鬆症の骨の断面比較

イメージしやすいのは、台所のスポンジです。新しいスポンジは目が細かくてしっかりしていますが、骨粗鬆症の骨は、そのスポンジの穴がどんどん大きくなったような状態です。見た目は同じ大きさでも中がスカスカなので、少しの力で折れやすくなります。

骨粗鬆症は「骨が減る病気」というより、「骨の作り替えのバランスが崩れた状態」と考えるとわかりやすいです。

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日⁠本ではどのくらいの人がなっているの?

日⁠本では、骨粗鬆症の方はおよそ1,280万人と推定されています(2015年時点のデータ。現在はさらに多い可能性があります)。そのうち約80%が女性です。

閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減ることが大きな原因の一つですが、男性にも起こりうる病気です。

ただし、これだけ多くの方がいるにもかかわらず、実際に治療を受けている方はその一部にとどまっています。「症状がないから大丈夫」と思っている方が多いことが、その理由と考えられています。

骨粗鬆症は決してめずらしい病気ではありません。「もしかしたら私も?」と思ったら、検査を考えてみてください。

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どんな骨⁠折が起きやすいのか

骨粗鬆症によって起きやすい骨⁠折には、おもに4つの部⁠位があります。それぞれ、日常のちょっとした場面がきっかけになります。

4つの骨折好発部位(大腿骨・脊椎・手首・上腕骨)

背骨(椎体・ついたい)

重いものを持ち上げたり、くしゃみをしただけで、背骨がつぶれるように折れることがあります。「いつの間にか骨⁠折」と呼ばれ、痛みを感じないこともあります。背中が丸くなったり、身長が縮んだりする原因になります。

手首(橈骨遠位端・とうこつえんいたん)

転んで手をついたときに起きやすい骨⁠折です。冒頭のエピソードのように、ちょっとしたつまずきがきっかけになることがあります。

太もものつけ根(大腿骨近位部・だいたいこつきんいぶ)

転倒したときに起きやすく、骨粗鬆症の骨⁠折の中で特に生活への影響が大きいと考えられています。入院や手術が必要になることが多く、回復に時間がかかることがあります。

腕のつけ根(上腕骨近位部・じょうわんこつきんいぶ)

転んで肩や腕を打ったときに起きることがあります。日常動作に影響が出やすい部⁠位です。

どの骨⁠折も、「強くぶつけた」のではなく、「ちょっとした力」で起きるのが骨粗鬆症の特徴です。

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「気づくきっかけ」を見逃さない

骨粗鬆症には目立った症状がありませんが、いくつかの小さなサインがあります。

身長が縮んだ(2cm以上)

若いころと比べて2cm以上身長が低くなっていたら、背骨の骨⁠折が隠れている可能性があります。健康診断のときに確認してみてください。

背中が丸くなってきた

鏡を見て「姿勢が悪くなったかな」と感じたら、それも一つのサインかもしれません。

服のサイズが合わなくなった

背中が丸くなると、今まで着ていた服が合わなくなることがあります。ウエストのあたりがきつく感じたり、スカートの丈が変わったりすることも。

これらは年齢のせいだと思いがちですが、主治医に伝えると検査のきっかけになることがあります。怖がる必要はありません。気づいたことを、次の受診のときにお話ししてみてください。

「なんとなく気になる」程度のことでも、受診のときに伝えてください。

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今⁠日からできること

  • 身長を測り、若いころと比べて2cm以⁠上⁠縮んでいないか確認する
  • 鏡の前で横向きに立って、背中のラインを見る
  • 次の健康診断で「骨密度検査は受けたほうがいいですか?」と主治医に相談する
  • まだお読みでなければ、骨は生きているで骨の基本を知っておく
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よくある質問

Q. 骨粗鬆症は治りますか? 骨粗鬆症は、適切な治療や生活習慣の改善によって、骨密度の低下を抑えたり、骨⁠折のリスクを減らしたりすることが期待できます。「治る・治らない」というより、上手に付き合っていく病気と考えていただくとよいかもしれません。治療の選択肢については、主治医にご相談ください。

Q. 骨粗鬆症は女性だけの病気ですか? 女性に多い病気ですが、男性にも起こります。とくに70歳以上の男性では、骨密度が低下している方が増える傾向にあります。性別を問わず、気になる方は検査を受けてみることをおすすめします。

Q. 若いころから気をつけていれば防げますか? 若いころに骨量をしっかり蓄えておくこと(ピークボーンマス)は、将来の骨粗鬆症リスクを下げるために大切です。ただし、それだけで完⁠全に防げるわけではなく、年齢やホルモンの変化の影響も受けます。どの年齢からでも、食事や運動などでできることはあります。

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参考文献

  • 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版(日⁠本骨粗鬆症学会・日⁠本骨代謝学会・骨粗鬆症財団)
  • 骨粗鬆症の疫学と医療経済. Yoshimura N, et al. 日⁠本臨牀 2015; 73(10): 1643-1648.
  • IOF (International Osteoporosis Foundation). "What is Osteoporosis?" https://www.osteoporosis.foundation/patients/about-osteoporosis
  • 厚生労働省「国民生活基礎調査」各年版
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医療監修

加藤裕幸(整形外科医・日本整形外科学会専門医)

最終更新:2026年3月18日