骨の材料はカルシウムだけではありません。もうひとつがタンパク質です。「この歳でお肉なんて」と控えている方に読んでほしいお話です。
連載「骨と生きる」は、今週から新しい章に入ります。テーマは「食べること」。最初の問いは、外来でよく受けるこの質問からです。
「先生、お肉って、食べたほうがいいんですか? この歳になると、つい控えてしまって」
年齢を重ねると、あっさりしたものが増えていきます。ごはんとお漬物とお味噌汁はそれはそれですてきな食卓ですが、骨のことを考えると少し心配です。
骨のためのごちそうは、特別なものでなくてかまいません。
骨は、カルシウムだけでできていない
骨を建物にたとえると、カルシウムは壁を固める「コンクリート」。タンパク質は、その芯を通る「鉄筋」です。鉄筋がやせ細った建物は、いくらコンクリートを塗り足しても、しなやかさを失ってもろくなります。
タンパク質は筋肉の材料でもあります。筋肉が減ると転びやすくなり、転べば骨折につながります。お肉やお魚、卵、大豆を食べることは、骨と筋肉の両方を守ることになります。
どんな食品にどれくらいタンパク質が含まれるか、一日の目安はこちらの記事にまとめています。
「たくさん」でなくていい、「毎食すこし」
「でも、お肉はそんなに食べられません」という方も大丈夫です。どんぶり一杯の焼肉を、という話ではありません。
毎食、手のひらに軽くのるくらいのタンパク質を、少しずつとります。朝は卵や納豆、昼はお豆腐、夜はお魚かお肉を数切れ。これだけで、ずいぶん変わります。腎臓の病気がある方は、タンパク質の量に制限がかかることがあるので、増やす前に主治医に相談してください。
今日できること
今日の食卓では、いつものごはんにタンパク質をひと品足してみてください。冷奴一丁でも、ゆで卵ひとつでもかまいません。次回は「結局、1日に何を食べれば?」という、迷わない献立の話をします。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日本脊椎脊髄病学会指導医)