Phase 5: 食べることと、備えること — 第19回
連載の進み具合19 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

約3分で読めます

「お肉は、食べたほうがいいの?」— 骨の"鉄筋"の話

骨の材料はカルシウムだけではありません。もうひとつがタンパク質です。「この歳でお肉なんて」と控えている方に読んでほしいお話です。


連載「骨と生きる」は、今週から新しい章に入ります。テーマは「食べること」。最初の問いは、外来でよく受けるこの質問からです。

「先生、お肉って、食べたほうがいいんですか? この歳になると、つい控えてしまって」

年齢を重ねると、あっさりしたものが増えていきます。ごはんとお漬物とお味噌汁はそれはそれですてきな食卓ですが、骨のことを考えると少し心配です。

湯気の立つ食卓を、年配の女性が家族と囲み、焼き魚と小鉢のお肉料理を楽しそうに取り分けている 骨のためのごちそうは、特別なものでなくてかまいません。

骨は、カルシウムだけでできていない

骨を建物にたとえると、カルシウムは壁を固める「コンクリート」。タンパク質は、その芯を通る「鉄筋」です。鉄筋がやせ細った建物は、いくらコンクリートを塗り足しても、しなやかさを失ってもろくなります。

タンパク質は筋肉の材料でもあります。筋肉が減ると転びやすくなり、転べば骨⁠折につながります。お肉やお魚、卵、大豆を食べることは、骨と筋肉の両方を守ることになります。

どんな食品にどれくらいタンパク質が含まれるか、一日の目安はこちらの記事にまとめています。

📖 タンパク質と骨:カルシウムだけでは骨は強くならない

「たくさん」でなくていい、「毎食すこし」

「でも、お肉はそんなに食べられません」という方も大丈夫です。どんぶり一杯の焼肉を、という話ではありません。

毎食、手のひらに軽くのるくらいのタンパク質を、少しずつとります。朝は卵や納豆、昼はお豆腐、夜はお魚かお肉を数切れ。これだけで、ずいぶん変わります。腎臓の病気がある方は、タンパク質の量に制限がかかることがあるので、増やす前に主治医に相談してください。

今⁠日できること

今⁠日の食卓では、いつものごはんにタンパク質をひと品足してみてください。冷奴一丁でも、ゆで卵ひとつでもかまいません。次回は「結局、1日に何を食べれば?」という、迷わない献立の話をします。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日⁠本脊椎脊髄病学会指導医)

食事栄養
共有:
← 前の回Phase 4

第18回:治療費が、いくらかかるの?

次の回

第20回:結局、1日に何を食べれば?

2026年11月8日公開予定