一度骨折すると、また折れるのではないかと不安になるのは、もっともです。でも、骨折の連鎖は「あなたのせい」ではありませんし、止めることができます。
骨折を経験された方から、よくこう打ち明けられます。
「先生、一度折れてしまって……。また折れるんじゃないかと思うと、こわくて」
その不安には根拠があります。背骨の骨折が1つあると、次の骨折のリスクが高まることが分かっています。ドミノ倒しのように、1枚目が倒れると次が倒れやすくなります。だから、ここで止めたいのです。
ドミノは、途中で止められます。最初の一回を、最後の一回にしましょう。
折れたのは、あなたのせいではありません
まず、これだけはお伝えさせてください。骨折したのは、あなたが不注意だったからでも、努力が足りなかったからでもありません。骨がもろくなっていたから、軽い力でも折れてしまった。それだけのことです。
そのうえで、最初の骨折は「骨を守りはじめる合図」でもあります。なぜ連鎖が起きるのか、止めるために何をするのかは、記事でくわしくお話ししています。
📖 「骨折の連鎖」を止める — 最初の一回が、いちばん大切なサイン
「最初の2年」が、いちばんの勝負どころ
連鎖について、ひとつ知っておいていただきたいことがあります。骨折のあとの2年間は、次の骨折がいちばん起きやすい時期です。
この2年間に骨密度の検査を受け、骨粗鬆症の治療を始めれば、その後の連鎖の多くは防げます。骨折の治療(コルセットなど)と骨粗鬆症の治療は別のものです。壊れた壁を直すだけでなく、家全体を丈夫にする。その両方を、今始めましょう。
こわい話に聞こえたかもしれません。でも、連鎖は止められます。知って動けば、この先は変えられます。
今日できること
今日は、こう覚えておいてください。
「最初の一回を、最後の一回にする。そのために、検査と治療を始める」
骨折をされた方で、まだ骨の検査を受けていなければ、次の受診で「骨粗鬆症の検査を受けたい」と伝えてください。次回は、骨折のあとに訪れるもうひとつのつらさ、「心が沈む」気持ちについてお話しします。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日本脊椎脊髄病学会指導医)