骨にいい食事をしようと思っても、情報が多すぎて何から手をつければいいのか……。その負担、よくわかります。まずは「一品だけ」から始めましょう。
「骨のために、食事を見直しましょう」とお伝えすると、まじめな方ほど、こう聞かれます。
「先生、いったい何を食べればいいんでしょう。あれもこれもと言われると、もう何が何だか……」
カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、タンパク質——骨にいい栄養素を全部覚えて、毎食きちんと揃える。そう考えると、料理が大変な宿題のように感じてしまいますよね。
でも、安心してください。全部を完璧に揃える必要は、まったくありません。
いつもの和食が、実は「骨活ごはん」。まずは一品、足すだけで十分です。
実は、いつもの和食がすごい
骨を強くするには、いくつかの栄養素が「チーム」で働きます。どれが何の役割か——その全体像は、記事でやさしく整理しています。
ただ、ここで知っていただきたいのは、昔ながらの和食が、すでにそのチームをほぼ揃えているということです。ごはん、豆腐とわかめの味噌汁、納豆、青菜のおひたし、焼き魚——これだけで、骨に必要な栄養素がいくつも自然に入っています。特別な食材を買い足さなくても、あなたの食卓には、すでに土台があるのです。
「まず一品」から
それでも何かひとつ、と思われるなら——朝ごはんに納豆を1パック加えてみてください。これひとつで、骨を支える栄養素がまとめて摂れます。納豆が苦手なら、味噌汁に豆腐とわかめを。週に2〜3回、焼き魚を。それだけで十分です。
「あれもこれも」ではなく、「まず、ひとつ」。続けられることが、いちばんの栄養です。
そして、もうひとつ大切なこと。我慢のしすぎも、よくありません。「コーヒーは骨に悪いから一切やめなきゃ」と楽しみを手放す必要はありません。1日2〜3杯なら心配いりませんし、ミルクを入れればカルシウムも摂れます。
今日できること
今日は、こう思っていただくだけで十分です。
「完璧じゃなくていい。明日の朝、納豆を一品足すだけ」
小さな一品の積み重ねが、これからの骨を支えます。次回は、その栄養チームの中でも、日本人にとくに足りていない「ビタミンD」のお話を——意外な落とし穴とともにお届けします。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)