コラム 第6回:背中が丸くなってきた|骨活ガイド
Phase 2: 調べる — 第6
連載の進み具合6 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

3分で読めます

「背中が丸くなってきた」— 体が出す小さなサイン

ショーウィンドウに映った自分の横姿に、はっとする。「母みたいな背中になってきた」——その小さな気づきは、見逃してはいけない大切なサインかもしれません。


ふだん、自分の横顔や背中を見る機会は、あまりありません。だからこそ、ふとした瞬間に気づきます。

店のガラスに映った自分の姿。家族が撮った写真。「あれ……私、こんなに背中が丸かったかしら」と。

外来でも、こうおっしゃる方がいます。「最近、母にそっくりな姿勢になってきたんです」。その声には、加齢への少しの寂しさと、かすかな不安がにじんでいます。

窓ガラスに映った自分の横姿に、そっと気づく年配の女性 「背中が丸くなった」——その気づきは、あなたの体からの、静かなお便りです。

「年のせい」と、片づけないでください

背中が丸くなる。身長が縮む。こうした変化を、つい「年だから仕方ない」と片づけてしまいがちです。

でも、その裏に、背骨の圧迫骨折(背骨が少しずつつぶれること)が隠れていることがあります。しかもこの骨折は、痛みを感じないまま起きることが多いのです。だから、気づけなかったとしても、それはあなたのせいではありません。

背中の変化は、「老い」のサインであると同時に、「骨からのお便り」でもあります。

壁ひとつで、確かめられます

気になったとき、ご自宅で今すぐできる確かめ方があります。壁立ちテストです。

壁にかかと・お尻・背中をつけて立ったとき、後頭部が自然に壁につくかどうか。もし頭が前に出て壁から離れてしまうなら、背骨の変化が隠れているサインかもしれません。やり方とチェックの仕方は、記事でていねいに説明しています。

📖 壁立ちテスト — おうちでできる背骨のセルフチェック

あわせて、こんなことにも気づいてみてください。若いころより身長が2cm以上縮んでいないか体重は変わらないのに、上着の前がたるんでいないか。これらも、背骨からの小さなお便りです。

気づけたあなたは、もう一歩前にいます

背中の変化に気づくこと。それ自体が、実はとても大切なことです。多くの方が見過ごしてしまうサインに、あなたは気づけたのですから。

今日できることは、ふたつ。

ひとつ、壁に背中をつけて、後頭部がつくか確かめてみる。 ひとつ、次の受診で「最近、背中が丸くなった気がします」と一言、伝えてみる。

その一言が、レントゲンや検査のきっかけになります。次回は、その「検査」——骨密度検査が実際どんなものなのか、こわくないんだということを、お話しします。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)

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