お薬代が負担で、治療をためらってしまう。続けるのがつらい。現実的な心配ですが、負担を軽くする制度はちゃんとあります。
骨粗鬆症の治療は、月単位・年単位で続いていきます。だからこそ、外来で時々、言いにくそうにこう打ち明けられます。
「先生、その注射……毎月、けっこうな金額なんですよね。正直、続けられるか不安で」
お金の心配は、恥ずかしいことではありません。実際、費用が負担で治療をやめてしまう方もいます。それで骨折してしまっては元も子もありません。日本には、医療費の負担を軽くする仕組みがいくつもあります。
お金の不安は、遠慮なく主治医へ。負担を軽くする制度と、選べる道があります。
「高い注射」だけが、選択肢ではない
骨のお薬には、幅があります。飲み薬の中には、月に数百円ほどで続けられるものもあります。一方で、より強力な注射のお薬は高額になることも。どれを選ぶかは、骨折のリスクと生活と費用のバランスを見て、主治医と一緒に決めることです。「高いお薬でないとダメ」ということはありません。
そして、月の医療費が一定額を超えたら、超えた分が戻ってくる「高額療養費制度」という仕組みがあります。費用の目安と、使える制度のくわしい一覧は、次の記事にまとめました。
「お金が心配です」と、言っていい
費用の不安は、主治医に正直に話してかまいません。
「お薬代が負担で」と伝えると、医師にはできることがいろいろあります。同じ効果でより安いお薬(ジェネリックなど)を提案したり、通院の回数を調整したり、相談できる窓口を紹介したり。いちばん避けたいのは、費用を理由に黙って治療をやめてしまうことです。
お金の心配を打ち明けるのは、わがままではありません。治療を長く続けるための相談です。
今日できること
今日は、こう考えてみてください。
「費用が不安なら、やめる前に、主治医に『お金が心配です』と話す」
そして、高額なお薬を始めるときは、「限度額適用認定証」やマイナ保険証のことも、窓口で聞いてみてください。
ここまでが、「折れても」その先を支える章でした。次回からは新しい章です。毎日の「食べること」を入口に、骨を内側から支える暮らしの話を、また少しずつ書いていきます。
この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療、費用については、必ず主治医や医療機関の窓口にご相談ください。
監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日本脊椎脊髄病学会指導医)