Phase 3: 防ぐ — 第14回
連載の進み具合14 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

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「転ばないために」— 骨⁠折を防ぐ暮らしの工夫

骨⁠折のほとんどは「転倒」から起きます。骨を強くするのと同時に、転ばない体と転ばない家を整えましょう。


骨粗鬆症のお話をしていると、つい「骨をどう強くするか」に意識が向きます。でも、外来で私がもうひとつ、必ずお伝えしたいことがあります。

「骨を強くするのと、転ばないこと。実は、この2つはセットなんですよ」

骨粗鬆症があっても、骨はひとりでに折れたりはしません。折れるのは、弱った骨に力が加わったときで、その多くはちょっとした転倒です。転ばないことは、最も効果的な骨⁠折予防のひとつです。

玄関先で、手すりにそっと手を添えながら、かかとのある室内履きで安全に歩く年配の女性 かかとのある室内履きと、手すり。どちらも転倒を防ぐ工夫です。

「転ぶのが怖い」その気持ちも、大切に

一度転んでしまうと、「また転ぶかもしれない」という怖さから、体を動かさなくなる方がいます。でも、動かないでいると筋力やバランスがさらに落ちて、かえって転びやすくなります。この悪循環は、よく知られています。

怖いと感じるのは自然なことです。安全な場所での簡単なバランス練習を重ねると、その怖さも少しずつ和らぎます。たとえば、テーブルに手を添えての片足立ちを30秒。これだけでも、転ばない力は育ちます。やり方は次の記事に載せています。

📖 転倒予防 — バランスと筋力トレーニング

家の中こそ、見直しどき

高齢の方の転倒の多くは、家の中で起きています。慣れた場所なので、つい足元への注意が薄れます。

電気コードや小さな敷物の端、暗い廊下、滑りやすい浴室。こうした“いつもの風景”の中に、転倒のもとは隠れています。今⁠日、家の中を「転ぶとしたら、どこだろう」という目で、ぐるりと見渡してみてください。ご家族と一緒に見れば、自分では気づかない場所も見つかります。

スリッパを、かかとのある室内履きに。夜のトイレまでの道に、足元灯をひとつ。そんな小さな工夫で十分です。

今⁠日できること

今⁠日は、ふたつ。

  • テーブルに手を添えて、片足立ちを30秒
  • 家の中を「転ぶとしたら、どこか」という目でぐるりと見渡す

ここまでで、「防ぐ」ステップを歩いてきました。食事、日光、運動、そして転ばない暮らし。次回からは、もし骨が折れてしまったら、その先をどう支えるかの話に入ります。最初は、気づかないうちに進む背骨の変化です。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日⁠本脊椎脊髄病学会指導医)

転倒予防予防
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