コラム 第4回:カルシウムさえ摂れば大丈夫?|骨活ガイド
Phase 1: 知る — 第4
連載の進み具合4 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

3分で読めます

「カルシウムさえ摂れば大丈夫?」— よくある思い込み

毎日きちんと牛乳を飲んできた。それなのに「骨が弱っています」と言われた——その戸惑いと、少しの落胆。あなたの努力は、決して無駄ではありません。


外来で骨密度の結果をお伝えすると、こうおっしゃる方がいます。

「私、牛乳だけは毎日欠かさず飲んできたんです。なのに、どうして……」

その声には、戸惑いと、少しの落胆がにじんでいます。健康のためにと、まじめに続けてきた。それなのに報われなかったように感じる——とても自然なお気持ちだと思います。

でも、はっきりお伝えします。あなたのその習慣は、間違っていません。

コップの牛乳を手に、少し不思議そうな表情の女性。まわりに日ざし・野菜・散歩の靴がやさしく描かれている カルシウムは大切な「材料」。でも、ひとりでは骨を作れません。

カルシウムは「材料」、でも工事には仲間が要る

カルシウムは、骨をつくる大切な材料です。これは間違いありません。ただ、材料があるだけでは、家は建ちません。材料を運び、組み立て、しっかり固定してくれる“仲間”が必要なのです。

骨の場合、その仲間とは——

  • カルシウムの吸収を助ける ビタミンD
  • 骨にカルシウムを定着させる ビタミンK
  • 骨の土台になる タンパク質
  • 骨に「強くなれ」と刺激を送る 運動

牛乳は、このチームの大事な一員。でも、ひとりだけではどうしても力を出しきれないのです。

さらに、閉経のあとの骨の変化は、ホルモンの影響が大きく、食事の工夫だけでは追いつかないこともあります(前回の「閉経してから、何かが変わった」でお話ししました)。だから、牛乳を飲んでいても骨が弱ることは、十分にありえます。あなたのせいではありません。

「知っているつもり」を、責めないで

骨粗鬆症には、こうした「よかれと思っていたのに、少し違った」という思い込みが、ほかにもいくつかあります。「痛くないから大丈夫」「年だから仕方ない」「サプリだけで十分」——どれも、ごく自然に信じてしまうものばかりです。

その一つひとつを、記事のほうで「なぜそう思われがちなのか」も含めて、やさしく整理しています。

📖 骨粗鬆症のよくある誤解 — 知っているつもりが実は違う?

思い込みに気づくことは、恥ずかしいことではありません。新しく知れた、というだけのことです。

あなたの努力に、仲間を足すだけ

ですから、これまでの習慣をやめる必要はありません。牛乳は、これからも続けてください。そこに、ビタミンDのための日なたの散歩を少し、骨を刺激する軽い運動を少し——仲間を足していくだけでいいのです。

今日できることは、ひとつ。

これまでの自分を責めず、「仲間を足そう」と思うこと。

がんばってきたあなたなら、きっと続けられます。次回からは、いよいよ「私は大丈夫?」——自分の骨の状態を知るための、検査やチェックのお話に入っていきます。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医/東海大学医学部 医学教育学 教授)

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