Phase 1: 知る — 第4回
連載の進み具合4 / 22
加藤

整形外科専門医・加藤裕幸

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「カルシウムさえ摂れば大丈夫?」— よくある思い込み

毎日きちんと牛乳を飲んできたのに、「骨が弱っています」と言われた。それでも、その習慣は無駄ではありません。


外来で骨密度の結果をお伝えすると、こうおっしゃる方がいます。

「私、牛乳だけは毎日欠かさず飲んできたんです。なのに、どうして……」

健康のためにまじめに続けてきたのに、報われなかったように感じる。そう思われるのは自然なことです。

それでも、牛乳を飲む習慣は間違っていません。

コップの牛乳を手に、少し不思議そうな表情の女性。まわりに日ざし・野菜・散歩の靴がやさしく描かれている カルシウムは大切な「材料」。でも、ひとりでは骨を作れません。

カルシウムは「材料」、でも工事には仲間が要る

カルシウムは、骨をつくる大切な材料です。ただ、材料があるだけでは家は建ちません。材料を運び、組み立て、しっかり固定する仲間が要ります。

骨の場合、その仲間は次のようなものです。

  • カルシウムの吸収を助けるビタミンD
  • 骨にカルシウムを定着させるビタミンK
  • 骨の土台になるタンパク質
  • 骨に「強くなれ」と刺激を送る運動

牛乳はこのチームの大事な一員ですが、牛乳だけでは骨は強くなりきれません。

さらに、閉経のあとの骨の変化はホルモンの影響が大きく、食事の工夫だけでは追いつかないこともあります(前回の「閉経してから、何かが変わった」でお話ししました)。牛乳を飲んでいても骨が弱ることは、十分にありえます。ご本人の努力が足りなかったわけではありません。

「知っているつもり」を、責めないで

骨粗鬆症には、よかれと思っていたのに少⁠し⁠違った、という思い込みがほかにもあります。「痛くないから大丈夫」「年だから仕方ない」「サプリだけで十分」などは、どれもごく自然に信じてしまうものです。

ひとつずつ、なぜそう思われがちなのかも含めて、記事で整理しています。

📖 骨粗鬆症のよくある誤解 — 知っているつもりが実は違う?

思い込みに気づくことは、恥ずかしいことではありません。新しく知った、というだけのことです。

あなたの努力に、仲間を足すだけ

これまでの習慣をやめる必要はありません。牛乳は、これからも続けてください。そこに、ビタミンDのための日なたの散歩と、骨を刺激する軽い運動を少しずつ足していけば十分です。

今⁠日できることは、ひとつ。

これまでの自分を責めず、「仲間を足そう」と思うこと。

次回からは「私は大丈夫?」と思ったときに、自分の骨の状態を知るための検査やチェックのお話に入ります。


この連載は一般的な情報提供を目的としたものです。診断や治療については、必ず主治医にご相談ください。

監修:加藤裕幸(整形外科専門医・日⁠本脊椎脊髄病学会指導医)

誤解予防基礎知識
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